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元バンカー&現役デイトレーダーによる不定期更新。主に修論の副産物を投げつけていきます。

by すーさん

列伝第十六 目次

劉基 子璉 璟 宋濂 葉琛 章溢 子存道

 論賛、太祖(朱元璋)が集慶路を陥落させると、智勇に優れた人材を手許に集めさせ、名士賢人を招聘させたので、一時は才幹や仁徳をひた隠しにしていた者たちが、忽ちに馳せ参じたものである。中でも四先生と呼ばれる人物は、最も傑出していた。劉基と宋濂は学術に造詣が深く、その文章は古風かつ優雅であり、共に当代の模範とされた。更に劉基は帷幕にあっては策略を巡らせ、宋濂は従容として指針を示し、開国の初期に於いて、はっきりと王道の在り方を述べ、忠実かつ恭敬であったので、まさしく佐命の臣と言えよう。章溢の地方に於ける尽力や、葉琛の自身を顧みず使命に励む姿勢は、大義をよく弁え、大業を成就させたので、決して弓旌の徳に背かぬものである。なお、劉基は儒者として学術を用い、太平の世の創出を助けたのであるが、口さがない者の多くは讖緯の術を用いてしばしば自在に振る舞ったと伝えている。その風説は最近になってから生まれたものであって、劉基をよく知る者の言葉では無いので、ここでは収録していない。


by su_shan | 2017-02-18 12:00 | 『明史』列伝第十六